最近、桜の名所巡りをしているせいかよく団体ツアー客に会う。
黒の上下のスーツを着た添乗員さんが各会社のロゴが入った旗を持って
「皆さん、こちらで~す」
と誘導している姿を見ると、懐かしいな~としみじみ見入ってしまうのである。
なぜか?
実はゆきんこ若かりし頃、添乗員をしていたのである。
テレビのアナウンサーか添乗員になりたいと夢を描いたものの、当時、フジテレビのアナウンサーといえば河野景子とあの容姿を見ただけで
「あたしじゃ~、まず書類選考いや写真選考で落とされるな」
とあっけなくあきらめ、簡単にバイトでもはじめられた添乗員にチャレンジしたのだ。
しかし、動機が
「タダで世界各国にいける!!!」と安易だった。
が、世の中そんなに甘くない。
若かりしゆきんこは経験もなく、最初のころは日帰りツアーのバス添乗と言われ、多大なるショックをうけた。
毎日、同じコース「山梨ぶどう食べ放題と武田信玄も愛したホウトウランチつき」を1週間ぶっつづけで行った時はホウトウをみただけで胸やけがおきるほどだった。
しかも、「タダで旅行がいける!タダでうまいものが食える!」
なんて大間違いで平日の日帰り旅行にいく暇なおばちゃんたちの格好の餌食!
日帰りツアーで○○のお土産つき3点!
なんて書いてあると
バスに乗った瞬間
「お土産はいつ配るの~」←帰りまで待ってろ!
3人組みのおばちゃんには
「バスの座席、3人並べられないの?」←満席なんだから我慢しろ!
「隣の人には刺身がついててなぜ私たちにはないの?」←オプション確認しろ!追加代金が必要じゃ!!!
と思い出しただけでゲンナリ。
1年間の苦労の末やっと念願の海外へ。
初添乗は「カナダメープル街道と古城ホテル宿泊」だった。
前日に、対客電話というのをしてお客様グループごとに電話をする。
「明日はよろしくお願いいたします。時間は何時集合になります」
という簡単なものをいちいちかけ、とりあえずは全員につながった。
当日・・・
成田空港で受付をしていたゆきんこ。
来た方からパスポートを受取り、搭乗手続きをしていた。
ある老夫婦の番がきた
「受付表とパスポートをお願いします」
おじさん「パスポート?なんだそれは?」
おばさん「こないだ一緒に写真とってもらった青いやつよ」
おじさん「あれ、必要なのか?」
って・・・・まじ?持ってきてない?まずはそこで
「お前がちゃんと管理しないから悪いんだ!」
「あんたが、自分で持っておくっていうからでしょ!!!」
と夫婦喧嘩を始める始末。
そして、一通り夫婦のけんかが終わると、矛先は添乗員ゆきんこへ
「あんたが、昨日の電話で言わないから悪いんだ!」
と始まる。とんだとばっちりである。
とりあえず、怒られている暇はない。パスポートがなければ飛行機には乗れない。
しかし、あと2時間で出発・・・
どうあっても間に合わない。
しかも、この夫婦は新潟からの参加で前日から成田空港泊まり。
というわけで、決断としては
1.奥さんだけ行く
2.夫婦ともキャンセル
なんだけど、1はありえない!と騒ぐもんだから結局キャンセル。
ゆきんこはとにかく2時間後の飛行機に乗らなければいけないので、
旅行会社の社員の方に成田空港に急きょ来てもらい新潟夫婦を預けて飛び立った。
後日・・・
そのあとの成田空港でのやりとりはすざまじいもので
1.あの添乗員がパスポートを持ってこいと言わないからいけない
2.行ってもないのにキャンセル料は払えない
3.成田空港までの交通費かえせ!(←そもそもこれはおかしい)
と散々だったようだが、キャンセル料はしっかりもらって半分は返金したのだそうだ。
皆さんも当たり前ですが、海外旅行にはパスポートを!
と本の紹介をしようと思っていたのにすっかり自分の添乗員話に花が咲いてしまいました。
添乗員騒動記は
プロ添乗員(プロテン)の著者岡崎大五さんが、日本人団体客を引き連れて世界中を駆け巡る。
わがままな客に、自分勝手な現地係員、笑えるようで笑えない悲劇的な?添乗員の悪戦苦闘を描くコメディ・ストーリー!
読んでいくと登場人物がいろいろ出てくるのですが、元添乗員としては、
いたいたこんな人!あ~確かにありそう・・・とうなずけるストーリーばかり。
各国のストーリーが載っているのでその国の話などありブータン編はブータンにものすごい興味を持ち、いまだにまだブータンに行っていないゆきんこはその国に思いをはせたのであります。
岡崎さんの奮闘ぶりと心意気がときに笑い、ときにホロリとくる1冊。
地図情報:なし
ガイド:★(あいまい)
体験記:★★★
歴史的背景:なし
写真・イラスト:★★★
おススメ度:★★★
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黒の上下のスーツを着た添乗員さんが各会社のロゴが入った旗を持って
「皆さん、こちらで~す」
と誘導している姿を見ると、懐かしいな~としみじみ見入ってしまうのである。
なぜか?
実はゆきんこ若かりし頃、添乗員をしていたのである。
テレビのアナウンサーか添乗員になりたいと夢を描いたものの、当時、フジテレビのアナウンサーといえば河野景子とあの容姿を見ただけで
「あたしじゃ~、まず書類選考いや写真選考で落とされるな」
とあっけなくあきらめ、簡単にバイトでもはじめられた添乗員にチャレンジしたのだ。
しかし、動機が
「タダで世界各国にいける!!!」と安易だった。
が、世の中そんなに甘くない。
若かりしゆきんこは経験もなく、最初のころは日帰りツアーのバス添乗と言われ、多大なるショックをうけた。
毎日、同じコース「山梨ぶどう食べ放題と武田信玄も愛したホウトウランチつき」を1週間ぶっつづけで行った時はホウトウをみただけで胸やけがおきるほどだった。
しかも、「タダで旅行がいける!タダでうまいものが食える!」
なんて大間違いで平日の日帰り旅行にいく暇なおばちゃんたちの格好の餌食!
日帰りツアーで○○のお土産つき3点!
なんて書いてあると
バスに乗った瞬間
「お土産はいつ配るの~」←帰りまで待ってろ!
3人組みのおばちゃんには
「バスの座席、3人並べられないの?」←満席なんだから我慢しろ!
「隣の人には刺身がついててなぜ私たちにはないの?」←オプション確認しろ!追加代金が必要じゃ!!!
と思い出しただけでゲンナリ。
1年間の苦労の末やっと念願の海外へ。
初添乗は「カナダメープル街道と古城ホテル宿泊」だった。
前日に、対客電話というのをしてお客様グループごとに電話をする。
「明日はよろしくお願いいたします。時間は何時集合になります」
という簡単なものをいちいちかけ、とりあえずは全員につながった。
当日・・・
成田空港で受付をしていたゆきんこ。
来た方からパスポートを受取り、搭乗手続きをしていた。
ある老夫婦の番がきた
「受付表とパスポートをお願いします」
おじさん「パスポート?なんだそれは?」
おばさん「こないだ一緒に写真とってもらった青いやつよ」
おじさん「あれ、必要なのか?」
って・・・・まじ?持ってきてない?まずはそこで
「お前がちゃんと管理しないから悪いんだ!」
「あんたが、自分で持っておくっていうからでしょ!!!」
と夫婦喧嘩を始める始末。
そして、一通り夫婦のけんかが終わると、矛先は添乗員ゆきんこへ
「あんたが、昨日の電話で言わないから悪いんだ!」
と始まる。とんだとばっちりである。
とりあえず、怒られている暇はない。パスポートがなければ飛行機には乗れない。
しかし、あと2時間で出発・・・
どうあっても間に合わない。
しかも、この夫婦は新潟からの参加で前日から成田空港泊まり。
というわけで、決断としては
1.奥さんだけ行く
2.夫婦ともキャンセル
なんだけど、1はありえない!と騒ぐもんだから結局キャンセル。
ゆきんこはとにかく2時間後の飛行機に乗らなければいけないので、
旅行会社の社員の方に成田空港に急きょ来てもらい新潟夫婦を預けて飛び立った。
後日・・・
そのあとの成田空港でのやりとりはすざまじいもので
1.あの添乗員がパスポートを持ってこいと言わないからいけない
2.行ってもないのにキャンセル料は払えない
3.成田空港までの交通費かえせ!(←そもそもこれはおかしい)
と散々だったようだが、キャンセル料はしっかりもらって半分は返金したのだそうだ。
皆さんも当たり前ですが、海外旅行にはパスポートを!
と本の紹介をしようと思っていたのにすっかり自分の添乗員話に花が咲いてしまいました。
添乗員騒動記は

わがままな客に、自分勝手な現地係員、笑えるようで笑えない悲劇的な?添乗員の悪戦苦闘を描くコメディ・ストーリー!
読んでいくと登場人物がいろいろ出てくるのですが、元添乗員としては、
いたいたこんな人!あ~確かにありそう・・・とうなずけるストーリーばかり。
各国のストーリーが載っているのでその国の話などありブータン編はブータンにものすごい興味を持ち、いまだにまだブータンに行っていないゆきんこはその国に思いをはせたのであります。
岡崎さんの奮闘ぶりと心意気がときに笑い、ときにホロリとくる1冊。
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歴史的背景:なし
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出版社:講談社
著者:一之瀬泰造 / 1985年 / ¥730

2000年 浅野忠信主演で映画化。
実は本より先に映画を見て一之瀬泰三さんを知る。
26歳という若い生涯を閉じた場所はカンボジアのアンコールワット。
フリーの報道写真家としてベトナムとカンボジアの紛争地帯を駆け抜け、その間に日本にいる両親へ手紙を送り続けた。
本の内容はその手紙のやりとりをまとめたものだが、生きるか死ぬかの瀬戸際の中での手紙なので痛く感銘をうけるフレーズが多々ある。
「アンコールワットを撮りたい、できればクメール・ルージュと一緒に。地雷の位置もわからず、行き当たりドッカンで、最短距離を狙っています……」
そう、これがタイトルの由来となった「地雷を踏んだらサヨウナラ」である。
砲火の中武装し、戦火を避けながらもシャッターを切り続ける。明日はあるのか・・・でも、シャッターを切るたびにますますアンコールワットへの憧れが強くなり、また少しの時間も無駄にはせず一分一秒を大切に生きている。
手紙のやり取りの内容がメインなのだが、今まさに一之瀬泰三さんが戦火の中カメラをひっさげアンコールを狙っているような錯覚に陥る躍動感あふれる本だった。
ところどころに泰三さんが撮影した写真が掲載されているが、ベトナムの子供達は戦争と関係なくみな屈託のない笑顔で写真に納まっていたのがとても印象的だった。
地図情報:なし
ガイド:なし
体験記:★★★
歴史的背景:★★★
写真・イラスト:★★★
おススメ度:★★★
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著者:一之瀬泰造 / 1985年 / ¥730

2000年 浅野忠信主演で映画化。
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26歳という若い生涯を閉じた場所はカンボジアのアンコールワット。
フリーの報道写真家としてベトナムとカンボジアの紛争地帯を駆け抜け、その間に日本にいる両親へ手紙を送り続けた。
本の内容はその手紙のやりとりをまとめたものだが、生きるか死ぬかの瀬戸際の中での手紙なので痛く感銘をうけるフレーズが多々ある。
「アンコールワットを撮りたい、できればクメール・ルージュと一緒に。地雷の位置もわからず、行き当たりドッカンで、最短距離を狙っています……」
そう、これがタイトルの由来となった「地雷を踏んだらサヨウナラ」である。
砲火の中武装し、戦火を避けながらもシャッターを切り続ける。明日はあるのか・・・でも、シャッターを切るたびにますますアンコールワットへの憧れが強くなり、また少しの時間も無駄にはせず一分一秒を大切に生きている。
手紙のやり取りの内容がメインなのだが、今まさに一之瀬泰三さんが戦火の中カメラをひっさげアンコールを狙っているような錯覚に陥る躍動感あふれる本だった。
ところどころに泰三さんが撮影した写真が掲載されているが、ベトナムの子供達は戦争と関係なくみな屈託のない笑顔で写真に納まっていたのがとても印象的だった。
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